僕のI Shall be Released

夕方突然、Bob Dylanの「I Shall be Released」の和訳が頭の中に浮かんだ。
以下、僕の訳です。ボブ・ディラン、カバーをしてきた音楽家たちに敬意を表して。
また思いつけばまた歌いたい。

 

なにもかもが変わるのに
おまえだけ置いてけぼりなんてないさ
それでもひとりぼっちだと言うのなら
おれもひとりぼっちでそばにいるぜ

夕陽が沈んでく 一日が終わる
そのときおまえは何を思うんだい

悲しい気分になると
おまえは"みんなが"って口にするけど
その"みんな"って誰のことだい
おまえの本当の話が聞きたいんだ

夕陽が沈んでく 一日が終わる
そのときおまえは何を思うんだい

疲れ果てたおまえのために
おれが出来ることなんてしれてるかもな
でもおれはいつもおまえのことを
"ひとりじゃないよ"って思いながら見てるよ


夕陽が沈んでく 一日が終わる
そのときおまえは何を思うんだい

夢うつつ日記

こんな夢をみた。カウンセラーの先生が泣いている。僕も泣いている。カウンセラーの先生は生まれたばかりのお孫さんの話をしていて、赤ん坊と大人は全然違うんだよ、と言っていた。部屋には西日が差し込み、壁はオレンジ色で先生の顔は陰っていた。目が覚めて、僕は本当に涙を流していた。それから声をあげながらしばらく泣いた。涙はどんどん溢れ出た。目が覚めて泣いていたことが何年か前にもあった。それは初めてお付き合いした人の夢を見た朝だった。四月の雨はたしかに冷たい。少々疲れた。

ここはどこなんだろう

昨日とおんなじいつもの部屋だけど

不思議になって思うんだ

ここはどこなんだろう

生まれた時から僕は僕だけど

たまにわからなくなるんだ

僕は誰なんだろう

忘れられるのがとっても怖いのに

一人になろうとするなんてズルい人だよ

名前を呼ぶんだ、魔法のように

暗い気持ちでも ほんの少しでも

楽しい思い出があればやっていけるよ

名前を呼ぶんだ 、魔法のように

名前を呼ぶんだ、魔法のように

薬はいらない、返事をくれよ

夕闇から逃れるように飛び去っていく鳥に見えた
夜は大きな口を開けて罠にかかる誰かを待つ
遠くなる都会の灯りと目の前の闇の間で
もらった手紙をずっと眺めていた

君が美しくなる 昨日の夢の中で
君が美しくなる前になにげない話をしたかっただけ
あの日交わした約束が想い出みたいだ
脚色が多くて今では遠くてすりきれて

季節が変わって 風景が変わる
時計の針の音が気になる
冬枯れた庭にあの子が立っていた
なにも言わずに立っていた

薬はいらない、返事をくれよ
薬はいらない、返事をくれよ

わかってたまるかよ 君の気持ちなど
わかってたまるかよ 僕の気持ちなど
すり切れるまで走ろう
骨になるまで走ろう
いつかはすべてが無くなるというの

薬はいらない、返事もいらない
なにもいらない、なにもほしくない

もう薬はいらない、返事をくれよ
薬はいらない、返事をくれよ

お願い お願い お願い お願い

じりじりと炎が

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3泊4日の東京旅行へ行ってきた。幼馴染の家に泊まりながらのんびりとしたり、誰かに会ったり充実した旅になった。それでも時間が足りないと思ったけれど。時々街の中で1人になる時間があり、そんなとき僕には東京の街が穴だらけに見えた。浅い穴もあれば深い穴もあり、街行く人たちはそんな穴々を避けながら歩いているかのように見えた。穴は、たくさんの人たちが集まっていることで出来た穴だ。誰かが掘った訳でも自然に出来た訳でもない。東京にしかない穴だ。僕は唐突に涙を流した誰かのことを思い出し、泣きそうになった。雲が動いたり、風がにおいを運んで来なければきっと泣き出してしまっていただろう。東京の街のあちこちには煙が上がっていて、炎をおこしたのは僕の友達だ。しかし、ここにいるよと僕は言えなかった。熱い息を全部飲み込んで、トイレに駆け込んだ。見聞きしてきたことに、まぼろしは1つも混ざっていないんだよ。

 

夜、地元の街灯もない田舎道を家に向かって走っていた。たくさんの人が、友達がいる東京とは真逆の方向になる。誰からも遠ざかってゆく、記憶が薄れてゆくような感覚が強くなる。「なぜ?」という問いかけが心の中であちこちを行き交う。ぶつかってぶつかって、ボロボロになったその問いかけは「わからない」に変わり、死んだように横たわる。触れることの出来そうな弱く青い炎の中で、しんとする。誰もいないことは僕もいないことに等しい。ナイフが見る見るうちに錆びついてゆく。