骨だけになった夏のお墓に涼しげな眼をした秋がやってきた秋は女で、3人の四季の誰のことも好きではなかった特に夏のことは頭が悪い男だと思っていたがいつも無邪気に笑っていた様子を思い出すとたまらなくなり、ここへきていたただ秋には何も言いたいことが…

そのときぼくは物語の中にいて次のページがめくられるのを待っていた

・ロックとポップとパンクとフォークで日が暮れたからおうちに帰ろう ・遠慮はいらない、やってくれ ・驚いたきみは少女のような顔をしてた ・夜中の誓いは次の朝には忘れてしまう ・散歩するように生きてみたいんだ ・いつかは終わる旅なんだと少し寄り道 …

ばん

誰もいない海辺にボロになった船焚き火のあとに塩のかたまりぼくは白い鳥七色の夢星でできた時計遠きふるさと ピストル ばんばんばんピストル ばんばんばんばんばんばんふるさとに帰る夢をみたのですみんな泣いておりましたぼくの戦いは終わりませんふるさと…

からからの夏(八月大成)

読みかけの本をほったらかしたまま。気の抜けたソーダ水を捨てようか迷って。話半分でうなずき、やっぱり遠くの空を見つめてしまう。淡い雲の合間には、たとえば尾崎豊がいる。阿部薫がいる。チャー坊がいる。ただみんなこちらに背を向けている。なにも言葉…

見慣れたビルの街並みが いつしか海に変わっていた 波は涙をさらっていった それでも水底に咲いた花は上を見上げ これが最後の歌になるわと 途切れることなく声をあげた ここはひどく透明な世界 見落としたものは沈んでゆく それに引っかかった僕らは沈めな…

月とねむる

静かな夜を自分だけのものにして月とねむる比べてみると小さな手のひらその中に星を集め月とねむる月は何も言わないからね安心してねむってねなにかしてあげられることはないかときみに電話してもねむっているなら出なくていいどんなに話しても言いたいこと…

ドローム

稲穂の色ではない古びた金貨のような黄金色の月がいくつもいくつも空高く24時間周りをうろうろしてる月は僕に勘違いさせるのだろう狂気と正気のインスピレーションを得ただ絵を描くんだって言いながら小銭しか持ってないポケットの中にあるくしゃくしゃの覚…

壁の花

「みんなはさ」 「みんなみたいに」 みんなって誰だ きみの話を聞いているんだぜ きみの話し声に耳を傾けてるんだ 気にしなくていいよ きみはきみに夢中になりなよ 好きなことを喋り続けなよ 自己紹介で嫌いなものなんて あんまり聞きたくないもの みんなは…

純度の高いものが好きだそれは僕にあるのかないのかわからないもので欲しがっているもので避けて通ろうとしているもの100%振り切ったらそれがどちらにせよバランスが悪くて倒れてしまう片足だけで歩けないのと似ているもし片足だけで歩く事が出来たのなら感…

彼女は入口、僕は出口を

彼女がひろげた入口を前にして僕はいつも出口を探したがる冷たい道の上でひねくれてかじかんでいた街灯に集まる真っ白な蛾たちを見つめまき散らされた鱗粉で汚いところを隠したりした遠くの山に火が見えて目指すところのような気もするしただの誘惑にも思え…

気の弱い悪魔

暑さはたった1つの音しか出さないみたいだその音は不愉快にジリジリと近寄ってくる表通りにパレードが来て子供たちが叫びながら手を振っているなにかください 良いものを太鼓をどんどんと叩いてなにかくださいな閉め忘れた蛇口がすすり泣いている薄暗い影に…

やさしい世界

ほんの小さなズルさを噛みしだきながらぼくはどんどんズルくなってゆくような気がしたうずくまり、自分の手のひらしか見れなくなって自分の行く先を自分で決めれなくなっていたそうして迷い込んだ森の中にはやさしい世界がありそこにはやさしい人たちが住ん…

だから未だ青い春

叫びだしそうな想いの生まれたところと行き着く場所は?校庭の隅で毎日生まれたり死んだりする生き物は入学してから卒業するまで一歩も動くことはなかった僕は花火大会を家から見ているだから未だ青い春冷たい雨が降っている壊れてしまいそうな想いのきっか…

彼:空っぽになった酒瓶を片手に持ちゆっくりベランダに出る。彼:「友達の家になにか大事な物を忘れたような気がするよ。それは、いつも持ってなくちゃならないようなものだ。敬虔なクリスチャンにとっての十字架のようなものだ。だが、俺はもう戻れないんだ…

そのすべてで僕を引き裂け もう見えないくらい かえらないように 殺されてしまう前に 引き裂いて欲しいんだ 許してください あやまりたい 物音がじゃまをする前に そのすべてで僕を引き裂いてください わからなくなる

見たこともない風景の中に見覚えのあるきみがいて知らない歌を歌いながら知ってる素振りで歩いてくるむかしテレビで見た外国の白い建物がある街並みを歩きながらきみは何か見せたいものがあるかのように手招きしてる僕はどうしたことか斜めにしか歩けなくて…

something

なにがあった なにかがあった 僕の心に 心の中で 得体の知れない生命が生まれ 己の意味を考え始めた 癇癪を起こしては暴れ 僕の内側を傷付ける 疲れてはいびきをかいて眠り 僕の眠りを妨げる なにかあった? なにかがあった?と 彼女は聞くけど 僕には説明の…

あなたがたの意のままに そのままに 頭を地面にくっつけて 首が戻らない体勢 あらかじめそうであった形に成っていく 止まらない 毒を持った植物が 成長する もし もし 意味を持たなかったら そういう生き物がいたとしたら 命を奪って 無かったことにするのか…

あの時おまえの舟に僕も乗れば良かった そうすればおまえも僕も沈まなかった 藻に隠れ 流れることも出来ず 見上げているだけ きらきら光るのは海面であって 僕たちじゃない

布団に入って見上げるとスナイパーがまたがっているスナイパーは隠れもせず長いライフルを僕の額に当てている撃とうとしない 心底許せないような目で見ているバチバチ音を立てながら涙が流れていく霧にむせかえり 気がつくと 獣たちが僕を見ているどこかで急…

手に取ると砂になる その砂は手のひらに一切を残さずすり抜ける その砂は風に流されてどこかへと落ちるはずだが まるで無かったかのように 見つけられなくなる体中熱くなって叫ぼうとする その口を後ろから塞ぐ黒い手身動き出来ないまま聞きたくもない言葉を…

よぞら、じゅうじか、つめたいかぜ よぞら、じゅうじか、つめたいかぜ 砂場には僕とあの子しかいませんでした 今思えばもう夜になっていたから みんな帰っていたのだと思います 僕は空き缶に水を入れて砂にかけていました 文字を書いていました あの子は砂で…

春が来ないまま俺たちは冷たい息を吐いている そこから離れた方がいい!重たくなった雲が落ちるから 寒くはないのに 冷たい息を吐いている 「知ってましたか? こう、指をはじくと霜が降りるんですよ…」白も黒もない 灰一色 仮死状態の野原で ブレた瞳であい…

怒り 憤り 震え立った血が 助走をつけて血管を駆け巡る が 出口見当たらず ぐるぐる周り そのうちしょぼくれて 「ごめん」と言いながら心臓に帰ってくる 馬鹿にするな 馬鹿にするな やめろ 知らないだろう 頭 違う 空気 のような 違う 嫌い 笑うな おまえは…

もうずっと季節には色がないまま頭に銃を突きつけて凍った僕が庭に見える年を取ったあの子が子供達を引きつれて僕を指さしあれは.....と説明する後ろにいる男は.....あいつじゃないかなんということだ何年経ったのだ 一体なにをしてたのだあいつらはどこかへ…

「いつか離ればなれになったとき、たとえわたしが元気でも、あなたがわたしじゃないと思ったなら1つめのお墓をたててください。」 昼間。日曜日なので天使がやってきた。天使は親しくもないが気になっていた学生時代の同級生に似ていた。まとった白い衣から…

「みんな、よく平気で歩けるな。どこもかしこもとんがってるのに。ぼくはもう新しい靴を買うのは嫌だよ。」 すり切れた背表紙を手にとる。開いた本の中でコートを着たホールデン君が風を切って走ってる。なにか喋っているみたいだけど、僕には聞き取れなかっ…

陽の光

おばあちゃんは仏壇で声を出しながら「ご先祖様、家族を守ってください」と拝む。その姿を思い出した。だから僕は「おばあちゃんを守ってください」と拝む。これで家族全員は守られる。僕はとにかく横断歩道を気をつけて歩いて明日も仕事へ行く。実家は今頃…

レインレングス

雨は体にまとわりついてぼくを静めようとしている。体温はそれに反発するかのように痙攣し、不規則なリズムを打つ。住宅街にある知らない家の中から温もりを感じて、吐いた息がまるでピンク色に見えるような。誰かいまぼくの頭の中にあることを聞いてくれま…

まずぼくは壊す

春だ!良かったね。当分やっていける。仲間がいるのだ。ぼくは毎朝起きて辺りを見渡すのだけど、落ち込む理由がどこにも見当たらないんだ。それから水を一杯飲む。体の中を流れていくのがわかって、ぼくが今日ここにいることが始まる。それはjohn lennonのst…