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きみがぼくを教えてくれる

自分自身の記録です

僕は真夜中、家を抜け出してパジャマ姿で黒い川を眺めた。そうしてひとりぼっちの中に真実を見い出そうとするんだね。川底には目を閉じた裸の女が沈んでいて、七色の薔薇の花を口にくわえている。流れることも出来ない重さが彼女の悲しさなのかな。魚たちは目を開いているので僕は思わず話しかけそうになってしまう。一枚ウロコを売ってくれって。するとジージー音を立てテレビの顔をした人間が頭を抱えながら僕に電源を切ってくれってお願いしに来た。僕は気が引けたので代わりに一緒に散歩をしようと誘ったんだが、テレビ顔の人間は石につまずいて川にはまって壊れてしまった。ちっ、僕は手紙でも書こうか。笹舟を作って手紙を乗せて流す、手紙には「読んでくれてありがとう」って書こう。返事は期待できないからね。それにいつかは海になるのだろうし。まあとにかく今は朝陽を浴びて粉々になる吸血鬼みたいな気分だよ。それなら君に杭で打たれる方がマシなのかな、どうだろう。月が綺麗なのは当たり前で、僕らが美しさにまわす余裕があるかどうかってことなんじゃないか。僕なら愛を一番最後に残しとくなんてしない、夏休みの宿題と同じだよ。あ、タバコがない