きみがぼくを教えてくれる

僕は僕を記録する係です

彼:空っぽになった酒瓶を片手に持ちゆっくりベランダに出る。
彼:「友達の家になにか大事な物を忘れたような気がするよ。それは、いつも持ってなくちゃならないようなものだ。敬虔なクリスチャンにとっての十字架のようなものだ。だが、俺はもう戻れないんだ。帰り道を帰らされるんだ。家にはたぶん誰もいないさ。俺の部屋はあの日俺が出ていったままで、きっと暗く冷たい。俺はそこで忘れ物のことを思い出し続けるだろう。」
彼:ベランダから飛び降りる。
私:あわててベランダに行き見下ろす。
道路が一面が黒い川になっており、彼は古い木舟の上で仰向けになっている