きみがぼくを教えてくれる

僕は僕を記録する係です

やさしい世界

ほんの小さなズルさを噛みしだきながら
ぼくはどんどんズルくなってゆくような気がした
うずくまり、自分の手のひらしか見れなくなって
自分の行く先を自分で決めれなくなっていた
そうして迷い込んだ森の中にはやさしい世界があり
そこにはやさしい人たちが住んでいて
大きな木の下の木漏れ日の中で話をしていた
やさしい人たちを弱い人たちと言う人もいたが
やっぱりやさしい人たちだとぼくは思った
たくさんのいびつなオブジェに囲まれながらぼくはたくさんの話をした
木と話せるという人や、天使が見えるという人や
色々な人がいた。そして誰もが陽だまりのような顔をしていた
やさしい人たちには愛という言葉がなかったけれど
時折吹く風が代わりとなる役割を果たしていた
あの時ぼくはなぜそこから帰ろうと思ったのだろう?
いつの間にかぼくは立ち上がり家に帰ることを皆に告げていた
やさしい人たちは日が暮れても陽だまりの顔だった
ぼくを見送ってくれて、大きく手を振っていた
1人の帰り道ぼくはなるべく何も考えないことにした
ただただ歩いた。それでもちゃんと足は家へと向かっていた
やわらかい向かい風の中でぼくは感じていた
誰にも秘密だと思った
その気持ち