気の弱い悪魔

暑さはたった1つの音しか出さないみたいだ
その音は不愉快にジリジリと近寄ってくる
表通りにパレードが来て
子供たちが叫びながら手を振っている
なにかください 良いものを
太鼓をどんどんと叩いて
なにかくださいな
閉め忘れた蛇口がすすり泣いている
薄暗い影に隠れて
汗は出るのに涙はでない僕だから
あんなに待ち遠しかった陽の光が
今ではとてもうっとうしい
胸を裂いて心臓に聞いてみたい
本当の気持ちを隠さないでね
きみは大丈夫なんて言えない
だから僕はなにも言えない
ある呪いの中にいる
瞳が真っ黒になっていく
そんな悪魔の絵を見たことがある