薬はいらない、返事をくれよ

夕闇から逃れるように飛び去っていく鳥に見えた
夜は大きな口を開けて罠にかかる誰かを待つ
遠くなる都会の灯りと目の前の闇の間で
もらった手紙をずっと眺めていた

君が美しくなる 昨日の夢の中で
君が美しくなる前になにげない話をしたかっただけ
あの日交わした約束が想い出みたいだ
脚色が多くて今では遠くてすりきれて

季節が変わって 風景が変わる
時計の針の音が気になる
冬枯れた庭にあの子が立っていた
なにも言わずに立っていた

薬はいらない、返事をくれよ
薬はいらない、返事をくれよ

わかってたまるかよ 君の気持ちなど
わかってたまるかよ 僕の気持ちなど
すり切れるまで走ろう
骨になるまで走ろう
いつかはすべてが無くなるというの

薬はいらない、返事もいらない
なにもいらない、なにもほしくない

もう薬はいらない、返事をくれよ
薬はいらない、返事をくれよ

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