つけっぱなしのテレビの隣、少し開いたふすまから「もしかして誰にも言えないの?」いや…想像していた自分と違ったことにきまりが悪いだけ。「席を譲りましょうか?」いいんです。立っている方が楽なんですよ。一面一面景色を揃えて次の駅のゴミ箱に捨てる(味の無くなったガムと仲良く)似合った場所が見つからなくても好きな場所があればやっていけるだろ。わざと残した最後の一本を吸って帰る理由を再確認する。路地裏の陰りが優しいから、ずっとそこにはいられない。いつのまにか夜が明けて今僕がどこに立っているかがやっとわかったぜ。思っていたほど近くはないが、歩いていけるということ。電話ボックスの中で透明な身体の女が受話器を握ってる。触れるとあとが付くほどやわらかく、そうそう、それが悲しさだった。ともかく語尾に気をつけろ。語尾が過去と未来の進行を分けるんだぞ。人気のない街並みだからこそなにか伝えようとしてる。切れかかった街灯が俳句を詠む。鳥はなぜわざわざ真上を飛んでいく。あなたは誰かの夢でした。おやすみ。