she see sea


Yuki Murata - 色あせない思い出


浜辺で横になって見てみると海も空もそう大して変わらないのだと思った。僕は何度も沖に舟を出す想像をしていた。一番お気に入りの服を着て、大きな傘を差して舟に乗っている僕にはきっと悩みなんか何もないだろう。飴のように溶けた時間に絡まって身動き取れない。だけどそれが心地いい。海を見ている彼女を見て僕は「カラフルだ」と思った。見えない花がふっと咲いた気がした。聖なる日だった