どこででも雨を降らせる人

日記。お母さんとわかりあうことはないだろう。お父さんとはわかりあえっこないだろう。僕はいよいよ1人だと、もう何回思ったことだろう。雨の日だって構わない。窓を開けて寝るだけだ。僕を見ている目があって、そいつがいよいよ眠そうだ。誰1人いない街の中なら、傘を差さずに歩くかな


若さというのは尊くて、貴重な時間に違いない。僕はそれを持て余しているに違いない。10代の頃、夭折した少年少女たちの手記ばかり読んでいた。死に憧れてたわけじゃない。何かに必死になったこと、僕には一つもなかったから。ぽっかりあいた穴からは、ひゅーひゅー風の音がした。それが気になって仕方なかった

 

今までばら撒いてきた星々は、数えきれないほどだけど、それらを結んで絵に出来ない。夢を抱けず暮らしてる。最初の火種が生まれない。昔の人は偉かった。最近の若者はだらしがない。

 

突然の夕立に傘はない。高架下まで走って行こう。きみは先に辿り着き、笑いながら振り返る。僕の姿はどこにもない。雨はすっかり止んでいて、傘はもう必要ない