ミッドナイトスペシャル

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日記。僕が過ごした26年、たった一日で色が変わったりもする。いつも今ここにある時間が一瞬で、それは物事の必然性を意味する。僕はといえば、相変わらずおんなじ絵を描いてる。そしてその絵の中にいる。絵の具で出来た山の上、新しい色を探しながら、ここが昔どういう場所だったか、誰よりよく知ってるつもり。ふと気づいたんだけど、末長く楽しく踊っていたいだけじゃないかな?僕はまだ心から踊れたことがないのだから

 

過ぎ去った災難に対してすら、少しの寂しさを覚えることに人間の性を感じた。不思議でもあるけど、嫌なもんだ。湿り気に愛着を持ち、乾いていくことに不安になって。子供の頃、早朝の情報番組があんまり好きじゃなかった。笑顔にお金がかかってる気がしてたのかな。毎夜毎夜、僕は夢の中に見知らぬ誰かが登場するのを待っていた。そして、埃っぽいにおいに咳き込みながら目が覚めて、もう誰一人この世に残っていないと思い込んじゃってた

 

窓は開けっぱなし。扉も開けておく。部屋の中に、川を作る。そこにいる魚たちは、目を見開いたまま涙を流す。幸福な人々は橋なんか渡らないだろう。またきみに会いたくなってしまったよ。あいにく舟はベッドに使ってる。懐かしむことはキリがないから、覚えることに必死になればいい。僕はまだ今日に期待しながら時計の針を見つめてる。100年もいらない。けど、もらえるだけもらっとく。