どうしようもない人


The Langley Schools Music Project - Desperado (Official)

日記。何もしないでも汗が出る。僕の部屋の夏は暑い。冬は寒い。京都を思い出す。
イーグルスデスペラード"Desperado"を初めて聴いた。有名な曲のようだけど、ロックに目覚めた学生時代の僕は「イーグルスは渋い」というイメージで聴かないでいたのだった(渋いという言葉は便利だ) 和訳を読み、すぐさま大好きな一曲になった。曲中に出てくるDesperado(ならず者)はまるで自分のことのようであり、励まされているのもまた自分であるように感じた。だからこそ、Desperadoを僕なりに訳すと"どうしようもない人"という風になってきて、汗をかきながらジメジメした気持ちになっていって、湿気の多いこの島国より遠く、カラカラに乾いたルート66の道のりに想いを馳せる。

The Langley Schools Music Projectという70年代のカナダの小学生たちがロックの名曲をカバーしたアルバムがある。そこにもDesperadoは収録されていて、女の子がソロで歌ってる。それがまたとても良い。拙いピアノ、幼い声で"あなたは誰かに愛されるべきよ"なんて歌われるとなんともたまらない気持ちになる。まったく、どうしようもない人ね。

自分の7枚目のアルバムを作っている。今やっておかないと、という気がするのである。収録する曲は完成していて、毎日ひたすら録音していく作業をしている。期限もなければ制限もない、僕の好きなことを好きなようにやる時間。ただ、好きなようにやるのにも段々エネルギーを要するようになってきた。目指す形がわかってきたからかな。いろんな場所でいろんな人に出会って、知ってしまったことが多いからかな。好きは好きではあるけれど、ただ思いついたことをフェイドアウトさせるのがもったいなくて作っているところもある。それ以上別に理由なんてないのである。まあ、例によってあんまり考え過ぎないことだ。ジョニー・サンダースが「好きか嫌いかのどっちかしかないのさ」なんて言ってたけど、どっちでもない無関心というものがあるだろう。僕が怖いのは人からの無関心というより、自分自身が無関心になってしまうことだ。もっと言えば無感動になってしまうこと...僕は僕の心を動かすために音楽を作っているのかもしれない。作ってきたのかもしれない。