俺は今すぐにでも解放されるべきなんだ

陽の光が差し込んだ、アパートの2階のベッドの上。建物の影も無い、空の青だけがぼんやり映る窓を眺めていると、この部屋は空中に浮かんでいるかのように思われた。毎朝うろ覚えの夢を頭に浮かべながら目が覚めて、また自分のいびきがうるさかったのではないかと不安になり、薄い壁一枚向こうに存在する、知らない誰かの知らない世界を想像する。僕が見つけた約6畳の新世界。歴史を積み上げるのも僕である。地に足つけて生きないと、食べるご飯も味気ない。手に職を持たないと、吐き出す言葉も力がない。決して失いたくないと、誓った暮らしがここにある。そうさ、これはもうとっくに始まっていることなんだ。好きで繰り返してる訳じゃない。それならもう振り返るべきじゃない。わかってねえな。わかっているさ。

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Bob DylanのI Shall  Be Releasedを聴いていた。ディランIIや友部正人忌野清志郎はこの曲を日本語で歌っていた。"いつか自由になれる"って。だからディランの原曲も"いつか自由になれる"と思って聴いていたけど、最近読んだとある訳に"俺は今すぐにでも解放されるべきなんだ"とあった。僕には、今の僕にはこっちの方がしっくりくる言葉だった。思い出すこと、悩まされること、それらに縛り付けられている自分を縛っているのも実は自分であると気づいた時、今すぐにでも解放されるべきなんだ。解放してやるべきなんだ。自らの手で、自らのために。だから、いつか自由になれるでも良いけれど、僕はどうにも遠回りをしてしまう。はたまた遠回りを好んでいるのか。歌は、聴く人それぞれ都合の良いように受け取れば良い。僕?僕は外に出て生きたい。外に向かって歌いたい。そうするべきなんだ


Bob Dylan - I Shall Be Released (Audio)