2017-07-14 涙 詩 見慣れたビルの街並みが いつしか海に変わっていた 波は涙をさらっていった それでも水底に咲いた花は上を見上げ これが最後の歌になるわと 途切れることなく声をあげた ここはひどく透明な世界 見落としたものは沈んでゆく それに引っかかった僕らは沈めないから 太陽に一番近い生き物になる ありがた迷惑な話 選ばされた恵み 化石から蘇ったやつらに今度は食われる番 波は涙をさらっていった わからなくなってしまった 水平線の先にはなにも見えない