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きみがぼくを教えてくれる

僕は僕を記録する係です

teenager

すり切れた背表紙 息を切らしながら
ライ麦畑駆け抜けるホールデンくんが
「ほら、はやくつかまえて 時間がないんだ」
着の身着のまま飛び出して旅をしたい
でもぼく、ぼく、

失うものなんて大してないはずが
なんだか大切ななにかを持ってる気がするよ

teenager このままじゃ駄目だよね
そうだね それでも そんなに言わないで
teenager 嘘なんかじゃないんだよ
本当さ本当に本当のリアリティ

澄み渡る青空 まるでうわの空で
なんとはなしに見上げたらミスターレノンが
「ほら、想像してごらん 簡単なことさ」
気持ち1つで変わること
その気持ち1つがぼく、ぼく

teenager 消えないんだ想い出は
いつでも どこでも いまでも なにしても
teenager 好きだったあの頃の
あの子を この頃 今頃 思い出す

誰にも会いたくない 1人でいいはずが

なんだか特別な誰かに会いたい
誰かに話したい
誰かを探したい
誰かを待ってる
誰かに見つかりたいんだよ 

teenager このままじゃ駄目だよね
そうだね それでも そんなに言わないで
teenager 嘘なんかじゃないんだよ
本当さ本当に本当のリアリティ

あなたがたの意のままに そのままに 頭を地面にくっつけて 首が戻らない体勢 あらかじめそうであった形に成っていく 止まらない 毒を持った植物が 成長する もし もし 意味を持たなかったら そういう生き物がいたとしたら 命を奪って 無かったことにするのか 誰もいないところでなら 誓いを破るのか たやすく言い切るのか 言わなくていいんじゃないのか そうして俺を異端にするのか 除けるのか 利用していたのか 取り決めていたのか 目配せさえ俺にはわからぬと思っていたのか 消すのか その後普段通り2人で帰るのか 俺はいらなかったのか 聞こえないふりをするのか 

 

日付変更線 明日にむかって叫ぶがとどかない

あなたがたは1日を刻み遠のいてゆく

俺は腐り切った過去から滑り落ち ちょうどぴったりの形の穴に 落ちていく 音も無く

あの時おまえの舟に僕も乗れば良かった

そうすればおまえも僕も沈まなかった

藻に隠れ 流れることも出来ず

見上げているだけ

きらきら光るのは海面であって

僕たちじゃない

布団に入って見上げるとスナイパーがまたがっている
スナイパーは隠れもせず長いライフルを僕の額に当てている
撃とうとしない 心底許せないような目で見ている
バチバチ音を立てながら涙が流れていく

霧にむせかえり 気がつくと 獣たちが僕を見ている
どこかで急ブレーキの音がする
では僕は 僕の気持ちは
向かってくるヘッドライトの中に吸い込まれていく
僕もやつらも嘘つきだった
次のページは破れて読めなかったというわけだ

手に取ると砂になる その砂は手のひらに一切を残さずすり抜ける その砂は風に流されてどこかへと落ちるはずだが まるで無かったかのように 見つけられなくなる
体中熱くなって叫ぼうとする その口を後ろから塞ぐ黒い手
身動き出来ないまま聞きたくもない言葉を延々と聞かされる
重くもなりたくないのに軽くもなれない
では僕は、僕の気持ちは
公園の片隅 操られている やつらは知っているかもしれない
夢なら覚めてくれ 夢じゃないから覚めないんだ
ここからは線の向こうが見える 線の向こうからはこちらが見えないような気がする
何も聞きたくないのなら 何も言わない 何も言わない
溜まった血を逃がしたい (やめなさい) 泥の詰まったピストル
じゃあ僕は あ そうか ごめんなさい 一人で帰る
入ってきた穴から一人で帰る さよならもごめんなさい

よぞら、じゅうじか、つめたいかぜ

よぞら、じゅうじか、つめたいかぜ

 

砂場には僕とあの子しかいませんでした

今思えばもう夜になっていたから

みんな帰っていたのだと思います

僕は空き缶に水を入れて砂にかけていました

文字を書いていました

あの子は砂で山を作っていました

山はとてもキレイにできていました

あの子もそう思っていたようでした

山のてっぺんに飾る花を探しに行きました

水飲み場の近くに白い花が咲いていました

あの子はその花を摘んで山に飾りました

僕もあの子も嬉しくて笑っていました

そしたらキラキラ水が光りました

水も光りますし 笑います

 

よぞら、じゅうじか、つめたいかぜ

3つえらぶなら

春が来ないまま俺たちは冷たい息を吐いている そこから離れた方がいい!重たくなった雲が落ちるから 寒くはないのに 冷たい息を吐いている 「知ってましたか? こう、指をはじくと霜が降りるんですよ…」白も黒もない 灰一色 仮死状態の野原で ブレた瞳であいつが言う 俺はぼやけた黒目を拭う回数が増えてきた そのうえ手袋に穴が開いてることに気づく 指まで灰色になっていることに  気づく 光沢を失った黄金虫が 靴にぶつかる ああ もういいのに 「今持ってきますね。今度はうまく出来たんじゃないかなあ」 枯れ木に出来た洞に手を突っ込んであいつが話す もういいのだ 入ることも 出ることもできないこの場所に 俺たちは落ちてきたのだから… 飛ぶことのない蚕蛾たちが足元に群がっている 灰色になった黄金虫を乗せて 俺に登ってくる 俺はむせかえりながら 人差し指をくるくる回し なにかつぶやいている それはもう俺にも聞き取れなかった