突き出した拳をゆっくり開き、その中にある空白を認める。霧は晴れたな。言葉も渋滞するし、帰れないまま死んだりする。いくつもの墓を眺めながら、沈黙に耐えきれずに歌は生まれたのだろう。歌が必要な人たちのために。ともかく、今夜はこの明瞭な頭脳を味わおう。月明かりで本が読めそう。いつか、1ページも書かずにしまいこんだ大学ノートが、白み始めた空のよう。朝は静かでいいよね。静かな夜も、またいいね。きみがもがけばもがくほど、僕は冷静でいられる。いや、冷静でなくてはダメなんだ。そして遥か彼方で情熱は、カーニバルの音を響かせながら焦燥をかき立てている。焚き火の火とは、違うみたい。アフリカの月を見てみたい。きみは気づかなかったことに罪の意識を感じてる。耳を傾けることなく、目を閉じようとしてる。むなしさだけが残り、何者も立ち去った跡に、むなしさだけが残り、何事もなかったかのように、むなしさだけが残る。けれども思ったよりかは体は軽く、夜の散歩はまだまだ続く。頭の中で自由にあれ、まともと袂を分かつため