彼女のつばさ

彼女はつばさを持っていた

白くやわらかな2枚のつばさ

彼女はどこへでも行けたのに

僕のとなりを歩いてくれた

 

僕らは夜空を見つめていた

言葉に何の意味があるのか

時には夜のしじまが2人を

1つに合わせて繋げてくれた


どこまでも行こうよベイビー

どこまでだって行けると思うよ

いつまでたっても変わることなく

今までだって飛び越えていける


いつかは終わりと知っていながら

それはずっと遠くに思えた

開け放たれた窓から風が

白いカーテンをひらひら揺らす


薄明かりの夢の中で

僕は1人で涙を流していた

目が覚めた後のいつもの部屋で

同じように涙を流していた


太陽は届かぬ過去に

地球はまわりまわって現在に

月は遥か未来の彼方に

彼女は煌めく星の向こうに


彼女はつばさを持っていた

白くやわらかな2枚のつばさ

彼女はどこへでも行けたのさ

彼女はどこへでも行けたのさ