rock bottom

エンドロール流れたら
どんな曲をかけようか
きみがいなきゃ味気ない
たった1人?嗚呼!ただ1人

 

イカローリン生きてたら
汗も涙も血も見ると
きみがいなきゃわからなかった
忘れられたい? 嗚呼!忘れない

 

hey hey baby,いつものように
ロックンロールと歌ってくれよ
僕らは異なる心を持ってる
それぞれ一つのメロディなんだ

 

hey hey baby,死ぬほど綺麗に
ロックンロールと歌ってくれよ
僕らが異なる瞳で見ている
世界を瞬間繋げてくれよ

 

ロックンロールの底の方
ここにいるよと叫んでる
それが僕の歌だった
そんな歌が 嗚呼!ぼくだった

雲の隙間から黒い手が伸びてきて僕のしっぽをちぎってしまった
極彩色のハンカチが何枚も何枚も舞い落ちてくる
人々は服を着る意味をなくし
「死ぬまで踊り続けて」というタイトルのペーパーバックを片手に
街路樹に火を放ち、裸で踊りまくった
その様子を見ていた富裕層たちはあらゆる電子機器の充電をやめた
高速道路を走る車内にいるのは僕だよ
助手席に座っているのに運転手の顔は見えない
バックミラーばかり気にしている
どうも僕に用意された夜があるらしい
幼い頃1人留守番していた僕に誰かがそうささやいたのだ
だから懐中電灯にはいつも新しい電池を入れていた
古い電池はぜんぶ庭の池に放り込んだ
学校にいる先生は家に帰ることばかり考えていたから
僕は窓辺で校庭に目線でSOSを描いていた
クラスで飼っていたニワトリが鳴いていたのはそのせいだ
輝く瞳の残酷な子供たちの前で大人たちの顔のしわは身を寄せ合うしかなく
職員室の机の上で目覚まし時計が鳴り続けていた
自分がどこにいるのかわからなくなったとき
きっと探すのは入口ではなく出口
不思議なもんだ
そうだよね
どうして砂漠の生き物は砂漠で生きようとするんだろう
目が覚めても目的地に着いてないと考え込んでしまう
大して役に立たないことばかりね
僕は未だ旅の途中だからおしゃべりなんだ

生きていると、たった1つに憧れるんだ
海岸で希望の物が流れ着くのを待ちながら遠くの船に夢を投げていた
この途方も無い距離は手近なものだけでは数えきれない
瞬く星は何か言ってるのかと思っていたよ
僕にはずっとそう思えていたよ
帰り道がわかっているから帰らない
好きに選んでここに来て
何が好きなのかわからなくなって
いつの間にかボロボロの手紙を読み返している
元気ですかと尋ねられて
元気ですと快活に答えられたことがあるかな
どうだろう
ともかく実験を続けよう
説明書は最初から付いてなかったのかもしれない
それならそれで構わない
青い炎だってあるのだから
きみはブルーに悲しまないで

僕の狂った半分

僕の狂った半分が歌を歌いたがってる

僕の狂った半分が駄々をこねている

僕の普通の半分が落ち着くんだとなだめる

僕の普通の半分が狂った僕の手を取る

 

僕の狂った半分も 僕の普通の半分も

きみを大事に思ってる

きみを大事に思ってる

僕の狂った半分も 僕の普通の半分も

どちらも僕の全部さ

結局僕の全部さ

「死んだら無駄」と左脳は考え
「死んだら無だ」と右脳は考え
「そんなのNOだ」と身体は怒るが
心ここに在らず
目は遠いところを見ていたし
心地いい音楽を耳にしながらも
もうなにも言うことがないと口を閉ざした
はて、魂のゆくえとやらは?
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みんな遠くへ行っちゃった
それは僕の思い違いかもしれない
僕が誰もいないところへ行こうとしているのかもしれない
おんなじ場所にずっと立っていると
自分を見ている自分が見えてきて
問いかける言葉が止まらなくなる
頭上を飛ぶ鳥がスローモーションで落ちていく
コンクリートが恨めしい
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僕の本当の気持ちを聞いてください
鏡の裏で泣いている
迷惑かけてばかりでごめん
時間に抗うことで時間を浪費してる
舟に乗ろうか迷ってる
君には毛布をかけてあげたい
僕はそれで眠ることができる
光り輝く朝が怖い

hey hey,vincent

僕は公園の銅像の横に立っていた
身体をまとう青い絵具がなかなか乾かないので
ベッドに横たわることも出来なかった
そこで風のよく通るこの場所へ来たのだ
絵具に触れないよう気を付けながら姿勢を正し
なんとはなしに空を見上げては瞬きしていた
あまりに暇を持て余したときは隣の銅像に話したりもしてみた
両手に本を持ち、覗き込む銅像はこう言った
「ぼくは本当は目が悪いんだ。だから文字がよく見えるように
もっと本に近づきたいんだが、身動きできないんだ。」
僕は彼を気の毒だと思ったが、どうしてやることも出来なかった
どのみち絵具が乾いていない今、僕も下手に動けない
僕の青には少しの違う色も混ざってはいけないんだ

強い風が雲をどんどん移動させる
流れてきた大きな雲が太陽を隠し、辺りは急に薄暗くなった
僕が公園にある運動場に目をやると
そこにはヴィンセント・ヴァン・ゴッホがいた
彼は絵描きのくせに画材一つ手にしておらず
隠れた太陽がある場所をじっとにらみながらこう言った
「おれは自分自身にこらえている」
つぶやくような口調なのに、それは公園に響き渡る音量で聞こえた
そして太陽が雲から顔を出した途端、彼はいなくなっていた

「ああ、ヴィンセント。あなたは速すぎたのだ。
あなたの言葉は私たちの耳に今頃届き、あなたの絵はようやく私たちの目に入った。
そして、ヴィンセント。あなたの中にある力は強すぎた。
その力をあなた自身も扱いきれなかったのだ。ヴィンセント。」

僕の青い絵具は未だ乾かないままだ