もう6月だということにさっき気がついた。低気圧と高気圧にもまれながら、浅い眠りの中でいくつもの夢を見た。萌える草木の光を浴びて、誰も知らない涙をこぼした。その日のうちに掴めそうな感覚が、その日のうちに消えてった。ふるさとを指す一等星が、いつの間にか見えなくなった。氾濫した用水路で、輝く何かの破片を拾った。鬱血した黒雲が、深刻そうなわたしを見つけた。

see you laterさよならをした。今のうちだと誰かが言った。答える前にわたしは飛んだ。目を見て口にできるほど、たやすい言葉はわたしになかった