グリューベライを聴きながら

世の中はだんだん狂ってきていると誰かがつぶやいているのを見た。世の中はだんだん狂ってきているのだろうか。ジョン・レノンがインタビューの中で「世界は狂人によって支配されている」と語るのを見た。世界は狂人によって支配されているのだろうか。僕は彼で、彼は君で、君は僕で、みんな同じことさ。それでも狂ったやつらは銃を撃つ。悲しいね。どっかにはいい人がいて、どこにでも嫌なやつがいる。馬が合わなかった人たちは、最後は僕のことを嫌っていたかもしれない。僕にはわからないことがあり、時折そいつがすべてを隠す。破り裂いた背景から、見たくもないものを見つけてしまう。あんなに怯えた暗がりに、慣れてしまった自分に気づく。その時微かに火花が散った。その一瞬を逃さなかった。僕は光に食らいついた。

 

都会の憧れはすっかり灰をかぶってしまった。その灰を一生懸命払い除け、あらわれた元の姿を新しいものと勘違いする人たち。高い金を稼ぎ、高い金を支払う人たち。自分たちを憐れみ、自分たちがもう変化できない生き物だという都合の良いルールを昔からあったかのように捏造する人たち。橋の下の腐った海では、奇妙な形の魚が泳ぐ。ビルの合間の墓場は明るすぎて、幽霊たちも顔を出さない。百合の花は、百合の花。

 

僕は色を探して家を出た。転がり込んだ黄色い部屋、そこにはピンクの絵があった。青い火だって燃えている。だからブルーに泣かないで。窓の向こうがどうであれ、今いるこの部屋が明るければそれでいい。僕たちはもっと自信をもって、よい。その方がうまくいく。